スケールが大きく確信に満ちているブレンデルの円熟
アバド指揮ベルリン・フィルはDG録音の場合より大雑把でないが、それでもフィリップスレーベルのあの木目細やかな繊細さには欠ける。
ブレンデル自身「断然第一協奏曲のほうが好き」と言うだけあって、ピアノ演奏に関してはさらに確信と巨匠的線の太さを増している。
よりスケールが大きく確信に満ちていると言ってもいいだろう。
しかし(死の1ヶ月前でしたっけ?)ハンス=シュミット・イッセルシュテット指揮コンセルトヘボウ・オーケストラの陰影に満ちた伴奏をバックに、
ブレンデル自身のピアノも(線が細いという人もいるかもしれないが)ややひんやりとした色彩をよく生かして繊細で機微に満ちたピアニズムで、何度聞いても新鮮な感興に誘われたものだった。
日本の評論家の先生方はこぞって絶賛されていたこのCDだが、個人的にはベルリン・フィルの無神経なアンサンブルが最大のマイナスポイントとして、4ポイントに留めておく。
ブレンデルファンの皆さんやこの曲を初めて聞かれる方には、この価格でこれだけの名演が聞けるので、購入されても絶対失望はしないでしょう。是非購入してみてください。
ブラームス 第1番協奏曲の決定盤
とにかく、オーケストラがものをいう作品なので、ベルリンフィルのオーケストラは圧倒的に有利。厚みのあるオーケストラに、叩き込まれるブレンデルの透明な音がなんとも素晴らしい情景を醸し出している。アバドの指揮もまったく的を得ていて、ほとんどこれ以上望めない出来だと思われる。
1楽章は中庸のテンポで、この曲の暗く、激しい情熱を見事に表現しているし、2楽章の葬送曲風なところはブレンデルの、透明感溢れる音でまるで何かを独白するかのような情感、3楽章は若さという情熱をもてあますブラームスの焦燥感が見事に表されている。
ぜひウェーバーの協奏曲を堪能してください。
ブラームスはレコード・アカデミー賞を受賞した評価の高い演奏だが、むしろ注目したいのはカップリングのウェーバー。 これはLP時代にシューマンのピアノ協奏曲のB面に収録されていたものだが、たいへんな佳曲である。そんな録音がこのような企画であらためて取り上げられるのはウレシイ限りだ。 ウェーバーはピアノ協奏曲を3曲作曲しているが、そのなかで、この「コンツェツトシュトゥック」ともよばれる小協奏曲がもっとも美しい作品だ。 曲は4つの部分からなっているが、切れ目無く演奏される。 この曲は協奏曲というジャンルでは珍しく標題性を持っており、それによると、第1部は騎士を戦場に送り出した姫君の嘆き、第2部は姫君がさいなまされる恐ろしい妄想、第3部は騎士達の帰還、第4部は姫君の喜び、となっている。 ブレンデルはやや遅めのテンポでニュアンスに富む表現を心がけ、やや暗い影をもつこの曲の内面性をたくみに演出している。 一方で、つねにベースにはドイツ音楽の本流に根ざした卓越した構成感があり、この魅力的な作品に、さらなる洗練を与えている。 これが森の響きというものだろうか。。。 最近ではハイペリオンからデミジェンコの名演も加えられており、ウェーバーのこの秘作も存在感を増してきたようだ。
ユニバーサル ミュージック クラシック
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番&第5番 ブラームス : ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品83 ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 シューベルト:ピアノ五重奏曲
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